整備士対談
バスの整備は、知れば知るほどおもしろい!
自動車整備の世界でもちょっと珍しい、『バス整備士』。旭営業所で働く2人の整備士も、想像とは一味違うバス整備の“本当のところ”に驚いたそう。ふだんなかなか見ることのできないバス整備の現場について語ってもらいました。
K.H.
旭営業所 整備助役
2011年 キャリア入社
前職:ディーラーの整備士
ディーラーの整備士として7年間勤務。同僚が相鉄バスに転職したことから、誘いを受ける形で入社した。当時は「バス整備は体力が要る仕事」と覚悟していたが、想像以上に整った就労環境に驚かされた。
T.T.
旭営業所 整備士
2020年 新卒入社
整備専門学校卒業後、新卒で入社。学友たちがディーラーに進む中、たった一人バス整備の道を選び「本当にバスが良いのか」と周りに心配された。当人はバスのスケールの大きさが気に入っている。
CHAPTER 01 やってみると、「宝のような仕事」!?
相鉄バスに入社して、私がバス整備士として歩み始めてから15年以上が経ちました。私とT.T.君は、前配属先の綾瀬営業所からの付き合いですね。師弟関係で歩んできたT.T.君と、こうして旭営業所でも一緒に働けてうれしいです。私は口うるさくしてしまうタイプなのですが(笑)、めげずに頑張ってくれていて頼もしく感じています。
僕は新卒入社で他の会社を知らないので、K.H.さんには「乗用車の整備士との違い」という観点でもいろいろなことを教えていただいています。口うるさいと思ったことはありませんけれど(笑)、確かにK.H.さんは、特に現場の整理整頓には厳格ですよね。
整理整頓は「安全・安心」の基本だからね。正直に言うと、ディーラーに勤めていた頃は、バス整備には“乱れた環境”というイメージを持っていました。それが入社してみたら、イメージとは全く真逆。お客様に安全に利用いただけるバスにするための現場が整えられている。こういった理想の状態を維持できるように若手に指導していくのも私の仕事だと思っています。
僕も、同じ整備学校の友人たちからは「バスの整備って大変そうだけど大丈夫?」と言われたことがあります。ただ、それはバス整備という仕事を知る機会が限られているからですよね。実際は、作業環境は快適だし、無駄な残業をせずに早く帰るのが当たり前ですし……こんな良い職場を知らずに敬遠するのはもったいないと思っています。
バス整備場は、なかなか人の目に触れる場所には無いからね。私も、「隠された宝のような仕事」だと勝手に思っています(笑)。
CHAPTER 02 壊れたものは必ず直す。整備の面白さはバスで知った
K.H.さんから教わったことで印象深いのは、バスは『予防整備』が大事ということです。故障前に車体の不備に気が付けるよう確認したり、客席に危険な個所がないか実際にお客様と同じ目線に立ってチェックしたりする。だから、足元の危険な個所や手すりの不具合に気が付いたりできるんですよね。
まさに、前職のディーラーとの違いを最も感じたのはその点。ディーラーでは、お客様は「ブレーキがおかしい」「変な音がする」など、異常が起きた後に整備場に来ます。でも、バスにはたくさんのお客様がお乗りになるので、何かあってからでは遅いんです。“故障前に故障に気付く”という視点が重要ですね。
それでも故障が起きてしまうことはありますからね。たまに街中で故障してしまったバスを修理しに現場に行くこともありますが、そのときはK.H.さんでも結構プレッシャーを感じるんじゃありませんか?
お客様が見守る中での作業だからね、もちろん緊張します(笑)。でも、「壊れたものは必ず直す」という点もバス整備ならではだと思いますよ。「壊れたら新しく買う」ということが気軽にはできませんから。その分、故障原因を追究する視点が身につきました。バス整備に転職して、整備の楽しさを改めて知った気がします。大体のものは直せるという自信も付きました。
苦労して修理したバスが街中を走っているのを見るのも醍醐味ですよね。自分が担当した車体は一目でわかりますから。誇らしさもあり、「もっと上手くできたら」という悔しさが残るものもあり……。胸を張って街を走らせられるバスにできるよう、もっと腕を上げたいです。
CHAPTER 03 仕事を好きになってもらうことも、先輩の役割
私が学校を卒業して整備の仕事に就いた当時は、整備士は「車が好き」という人がなる職業でした。でも今や、運転免許を持たない若手も整備士のたまごとして入社しています。仕事を楽しんでもらえれば、車好きかどうかはあまり関係ないよね?
そうですね。それに、バス整備は「体力がないと難しい」というイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、今は力が必要ない便利な工具もどんどん出てきていて、体力・体格はほとんど問われません。バスは車体に潜り込みやすい大きさがある分、無理な姿勢になる必要もありませんしね。
先ほども言ったように、「壊れたものは必ず直す」という気持ちで向き合っていく仕事でもあるので、探求心を持っている方なら仕事の面白さを掴みやすいんじゃないかと感じます。仕事はイチから教えますし、働きながら好きになってもらえれば良いな。と言うよりも、仕事を好きにさせることも私とT.T.君の役割かもしれないね(笑)。
僕自身、K.H.さんには駆け出しの頃から“高い水準の仕事”を教えていただいたと思っています。作業中に手が止まってしまったときも、まずは「K.H.さんならどう考えるかな」と思うようにしていて……お手本がいる環境なので、興味があるなら安心して挑戦してみてほしいです。
T.T.君は、何か質問したいときは必ず自分の意見を用意してからきてくれるよね。後輩たちに自分の意志を持って指示する力も付いてきている。人を引っ張る力をより伸ばしていって、ぜひ主任登用試験にチャレンジしてほしいと思っているんだけど……。
頑張ります!(笑)