interview
“機械いじり”と“家族との幸せ”
「好き」を究めて今がある
S.K.
旭営業所 整備係主任
2019年 キャリア入社
バイクの整備士として長年働いていたが、家族との生活を充実させるために転職を考えるように。同じタイミングで、当時の綾瀬営業所長の私有バイクを整備したことがきっかけで相鉄バスへ応募、入社が決まる。プライベートの時間が増え、2人の子供たちと趣味を楽しめるようになった。
整備のベテランでも
「初めて」に出会えるバス整備
バス整備の具体的な仕事内容を教えてください
旭営業所で所有する約150台のバスの定期点検や、故障修理を行っています。エンジンやタイヤなどの車体部分だけではなく、ドライブレコーダーなどの車内搭載品も含めたすべてが点検の対象です。私は主任として、整備計画・作業監督・新人教育などを担当。すべてのバスを、お客様が安心してご利用いただける状態にすることはもちろん、メンバーが安全に作業できる環境づくりも私の役割です。バスの整備は、基本的にはバス会社でしか経験できない珍しい仕事です。加えて、旭営業所はバス所有台数が多く、その分レアなケースの故障が発生することも。当社に転職してから、整備士としてのスキルが向上している実感を持っています。
前職のバイク整備との違いを感じる点と、経験が活かせた点について教えてください
大型バス特有の機構があることはもとより、その大きさもバイクとは桁違いです。たとえば、エアコンもその一つ。車体の天井に載った大型エアコンは、冷熱管が長いことに加えて配管も入り組んでいます。夏は猛暑によってエアコンを酷使することになるので、不具合が出る頻度も高くなりがちですが、当然エアコンの壊れた車両にお客様をお乗せはできません。バス特有の仕組みをイチから学び、早急に修理できる力を身につけることに初めは苦労しました。他方、工具の使い方や機械の大まかな仕組みを把握する力は、バイク整備の経験がそのまま活かせています。
バス整備の仕事を楽しめる人はどんな人でしょうか?
「整備の業務に集中したい」という人ですね。カーディーラーなどの整備士は、お客様一人ひとりに整備内容のご説明をしたり、修理のご提案などの接客も業務の内です。一方、バスの整備士は日常的なお客様との触れ合いがない代わりに、じっくり車に向き合って整備作業に集中できるという特徴があります。整備の腕を磨いていきたいという方にとっては楽しめるはずです。また、故障が立て続けに起こらない限りは、1日の業務は定期点検で計画的に行う作業がメイン。落ち着いた環境で仕事をしたいという方にも合っていると思います。
好きなことをとことん楽しむ気持ちを
息子たちも大切にしてほしい
転職して、家族との時間はどう変わりましたか?
実は、私の2人の息子たちも大の“バイク好き”。前職は整備士といえどもサービス業だったので忙しく、息子たちとバイクいじりを楽しむ時間はほとんど持てていませんでした。加えて、安定した雇用形態ではなかったため、この先も家族を守っていけるかどうか……という不安も。正社員として転職できた今は、生活の基盤が整ったことに加え、息子たちと存分にバイクを楽しむ時間も増えて本当に良いことしかありません。さらに、最近下の息子の希望で海釣りに行くようになりました。こちらも道具を揃えて家族で熱中しています。プライベートの時間が取れなかった日々から、趣味を増やせるまでに生活が変わりました。
家族を大切にされているんですね。家族との将来はどんな風に描いていますか
息子たちには、「こんな仕事に就いてほしい」というような希望は持っていません。しかし、私が仕事でもプライベートでも工具を握っているような人間なので、整備の仕事に興味は持っているみたいですね。これからいろいろなことにも興味が広がっていくと思いますが、息子たちに言いたいのは、「自分の好きなことをとことん追求してほしい」ということです。私自身も好きなことを追求した結果で今がありますし、全力でぶつかっていく“今”を積み重ねていくことでしか、理想には近づけないと思います。
釣りグッズを愛車に積んで
海釣りを始めてから1年。今ではどっぷり浸かっていて、愛車の後部には工具と一緒に釣り具やジャケットを揃えています。その気になれば、仕事を終えた後にそのまま釣りに出かけることもできるほど、いつでも準備万端です。仕事と同じくらいプライベートを大切にできる環境が、“趣味人”に拍車をかけています。
このダイナミックな仕事の魅力を
若手に伝えたい
これからのキャリアについてはどんなイメージをしていますか?
助役などへのキャリアアップにも興味はありますが、今はまだ現場で経験を積んでいきたいと思っています。入社から5年以上が経った今でも、バス整備のすべてを理解し切るにはさらに実践が必要だと感じています。新燃料で走るバスや高度なバリアフリー設備を持つ車両、観光用の特殊仕様バスなど、年々新しいバスが登場することもあり、学ぶことは盛りだくさん。バスの整備の技術はバス会社でしか磨けないので、新しい知識を取り入れながらスキルアップをし続けたいですね。
管理・監督、後輩の教育という点での目標はありますか?
作業と管理の両立ができれば理想ですね。私自身が現場に立ちながら現場管理をしているので、目の前の作業にとらわれず現場全体を俯瞰する力はさらに付けていかなければと思っています。教育という観点では、繰り返しになりますが、バス整備はバス会社でしか学べない珍しい仕事。整備経験者でも初めて触れることのほうが多いはずなので、自分が転職してきた頃にわからなかったことを思い出しながら、後輩たちに指導していきたいですね。バスは、車体はもちろん部品のスケール感も大きく、ダイナミックな仕事ができるので、この面白さを若手に伝えていければと思っています。
当記事の情報は取材時のものです。